自動車のロアアームとは、サスペンションとタイヤをつなぐ部品です。長期使用による劣化で、ハンドリング性能が低下したり、異音が発生することがあります。
本記事では、ロアアームの役割や劣化の兆候、交換のメリット、交換費用の目安、交換の判断基準、ディーラーで交換する際のメリットについて解説します。
ロアアームブーツの機能と役割
ロアアームは、車体とタイヤをつなぐ役割を果たすサスペンションの一部品です。フロントとリヤに左右1本ずつ計4本装着されています。ロアアームには、路面からの衝撃を和らげるバネの働きがあり、乗り心地や操縦安定性に大きく影響します。
正しい姿勢を保ちながら上下動を制御することで、走行の安定性を高めています。
ロアアームブーツの劣化の兆候
ロアアームは長期使用による摩耗や劣化が進みやすい部品です。代表的な劣化の兆候を次に示します。
- 走行中の異音や振動が増加
- ハンドリングが重くなる、反応が鈍くなる
- タイヤの傾きやアライメントが狂う
- 過度な沈み込みが発生する
これらの兆候が確認された場合は、ロアアームブッシュの摩耗が進んでいる可能性が高く、早めの交換が必要です。
ディーラーでのロアアームブーツの交換のメリット
ロアアームを交換するメリットを次に示します。
- 走行の安定性と操縦性を取り戻す
- 乗り心地の改善による快適性アップ
- タイヤの摩耗を抑制し寿命を延ばす
- 事故につながる恐れのある故障を未然に防ぐ
ロアアームブーツの交換費用の目安
ロアアームの交換費用は、使用するパーツ代と交換の際の工賃で構成されます。代表的な内訳としては次の通りです。
交換工賃やパーツ代
パーツ代と工賃の合計で、1本あたり2~3万円程度の費用がかかります。
ロアアームの交換工賃
- 1本あたり1~1.5万円が目安
- 左右合計2~3万円程度
ロアアームのパーツ代
- 正規品を使用の場合、1本5~10万円
- 非正規品を使用の場合、1~3万円程度
ディーラーでロアアームブーツを交換する場合の費用
ディーラーで交換するメリットは、正規品を使用できること、保証が付くこと、整備士の作業精度が高いことなどがあげられます。
ディーラーでロアアームブーツを交換する場合の費用は、概ね以下の通りです。
- 部品代は500円~1,500円程度
- 工賃は1箇所当たり9,000円~1万円程度
ただし、ガタや摩耗が進んでいる場合は、アームごと交換となり、費用は高くなります。その場合は2~3万円程度かかることもあるようです。
車種や条件によって多少の差はありますが、この程度の金額が目安になります。
整備工場での実際の交換料金
整備工場でロアアームブーツ交換した際にかかった料金の実例を紹介します。
ダイハツタントのロアアームブーツ交換の場合
項目 | 金額 |
---|---|
ロアアームブーツ交換 | 23,400円 |
ロアアームブーツ部品 | 1,400円 |
消費税 | 2,480円 |
総額 | 27,280円 |
ロアアームブーツ交換の判断基準
ロアアームの交換時期を判断する際の目安は次の2つがあります。
走行距離から判断する
- 8~10万km程度を目安に摩耗が進む
- 15万kmを超えた場合は予防的に交換
点検結果から判断する
- ブッシュの摩耗や劣化が確認された場合
- アライメントの狂いが大きい場合
- 沈み込みが著しく大きい場合
これらの目安から、使用状況に応じた交換のタイミングを判断する必要があります。
まとめ
ロアアームブーツ交換のポイントロアアームブーツの交換は、劣化による走行性能の低下を防ぐために必要なメンテナンスです。ディーラーでの交換費用はパーツ代と工賃を合わせて1本あたり2~3万円程度です。
- 正規品を使用できる
- 整備士の作業精度が高い
- 交換後の故障は保証期間内なら修理してもらえる
- パーツ代は1本5~10万円程度
- 工賃は1本あたり1~1.5万円程度
- 走行距離8~10万kmで摩耗が進む
- 15万kmを超えた場合は予防的に交換
- ブッシュの摩耗やアライメントの狂いが大きい場合も交換必要
- タイヤの摩耗防止や事故防止のためにも重要